
ICL(眼内コンタクトレンズ)手術は、近視、遠視、乱視などの視力矯正を目的とした手術で、眼内にレンズを挿入する治療法です。この手術は日本では公的医療保険の適用外である自由診療に該当し、費用は全額自己負担となります。しかし、医療費控除の対象となるため、確定申告を通じて税金の還付を受けることが可能です。この記事では、ICL(眼内コンタクトレンズ)手術の医療費控除について、制度の概要、対象となる条件、申請手続き、具体的な計算例、注意点などを詳細に解説します。
1. ICL(眼内コンタクトレンズ)手術とは
ICL(眼内コンタクトレンズ)手術は、眼内に特殊なレンズを挿入して視力を矯正する治療法です。レンズを眼内に挿入するため、必要に応じてレンズを取り外すことも可能な可逆性のある治療法です。視力回復効果が高く、強度近視や乱視にも対応できることから、近年注目されています。ただし、公的医療保険が適用されない自由診療であるため、費用は高額で、両眼で約40万円から80万円程度が相場です。この高額な費用を軽減する手段として、医療費控除が活用できます。
2. 医療費控除の概要
医療費控除とは、1年間(1月1日から12月31日まで)に支払った医療費が一定額を超えた場合、確定申告を通じて課税所得から控除を受けられる制度です。これにより、所得税や住民税の負担を軽減できます。ICL(眼内コンタクトレンズ)手術は自由診療でありながら、「医師による治療の対価」と認められるため、医療費控除の対象となります。
2-1 医療費控除の対象となる条件
医療費控除を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります:
- 年間の医療費が10万円を超える:1年間に支払った医療費の合計額が10万円を超える場合、超えた部分が控除対象となります。所得金額が200万円未満の場合は、10万円ではなく総所得金額の5%が基準となります。
- 医師の診療または治療の対価であること:ICL(眼内コンタクトレンズ)手術は、視力を回復するための医療行為として認められるため、この条件を満たします。ただし、コンタクトレンズや眼鏡の購入費用(治療目的でない場合)は対象外です。
- 本人または生計を共にする家族の医療費:ICL(眼内コンタクトレンズ)手術の費用は、本人だけでなく、同一生計の配偶者や親族の医療費と合算して申請可能です。
2-2 医療費控除の計算式
医療費控除額は以下の式で計算されます:
医療費控除額(上限200万円) = (1年間に支払った医療費の合計 – 保険金などで補填される金額) – 10万円(または総所得金額×5%)
- 支払った医療費の合計:ICL(眼内コンタクトレンズ)手術の費用(手術代、検査費用、薬代など)やその他の医療費を含みます。
- 保険金などで補填される金額:民間の医療保険や生命保険から受け取った手術給付金などがあれば差し引きます。
- 10万円(または総所得金額×5%):所得金額が200万円以上の場合は10万円、200万円未満の場合は総所得金額の5%が基準となります。
控除額が確定したら、課税所得からその金額を差し引き、所得税率(5%~45%)に応じた還付金が計算されます。また、住民税も軽減されるため、節税効果が期待できます。
3. ICL(眼内コンタクトレンズ)手術の費用と医療費控除の適用

ICL(眼内コンタクトレンズ)手術の費用はクリニックや使用するレンズの種類(近視用、乱視用など)によって異なりますが、一般的な相場は以下の通りです:
- 両眼(近視のみ):40万円~60万円
- 両眼(乱視用レンズ):50万円~80万円
- 片眼:両眼の約半額(20万円~40万円)
- その他:術前検査費用(5,000円~1万円程度)、術後ケア費用、薬代などが別途かかる場合があります。
これらの費用は全額自己負担ですが、医療費控除を活用することで一部が還付されます。以下に、具体的な還付金額の計算例を示します。
3-1 還付金額の計算例
以下は、ICL(眼内コンタクトレンズ)手術費用が70万円の場合の還付金額の目安です(民間保険からの補填なし、他の医療費なしを仮定)。
例1:年収400万円(課税所得約168万円、税率15%)
- 医療費控除額:70万円 – 10万円 = 60万円
- 還付金額:60万円 × 15%(所得税率5%+住民税率10%) = 9万円
- 結果:約9万円の税金が還付または軽減。
例2:年収600万円(課税所得約298万円、税率20%)
- 医療費控除額:70万円 – 10万円 = 60万円
- 還付金額:60万円 × 20%(所得税率10%+住民税率10%) = 12万円
- 結果:約12万円の税金が還付または軽減。
例3:年収800万円(課税所得約462万円、税率30%)
- 医療費控除額:70万円 – 10万円 = 60万円
- 還付金額:60万円 × 30%(所得税率20%+住民税率10%) = 18万円
- 結果:約18万円の税金が還付または軽減。
これらの例から、年収が高いほど税率が上がり、還付金額も大きくなることがわかります。ただし、医療費控除の上限はその他の医療費と合わせて200万円です。
3-2 注意点:民間保険の給付金
民間の医療保険や生命保険に加入している場合、ICL(眼内コンタクトレンズ)手術が給付金の対象となるかどうかは保険契約の内容によります。一部の保険では視力矯正手術が対象外とされることが多いですが、確認が必要です。給付金を受け取った場合、その金額は医療費控除の計算時に差し引かれます。たとえば、70万円のICL(眼内コンタクトレンズ)手術費用に対して10万円の給付金を受け取った場合、控除対象額は60万円(70万円 – 10万円)となります。
4. 医療費控除の申請手続き

医療費控除を受けるには、確定申告が必要です。会社員の場合、年末調整では対応できないため、個人で確定申告を行う必要があります。以下は手続きの流れです。
4-1 必要な書類
- 確定申告書:税務署または国税庁のウェブサイトから入手できます。
- 医療費控除の明細書:医療費の内訳を記載します。領収書をもとに自分で作成するか、健康保険組合から送付される「医療費通知」を使用できます。
- 領収書:ICL(眼内コンタクトレンズ)手術の費用や関連する検査・薬代の領収書を保管します。紛失した場合、クリニックで支払い証明書を発行してもらえる場合があります。
- 源泉徴収票:給与所得者は、勤務先から発行された源泉徴収票を用意します。
- 身分証明書:マイナンバーカードや運転免許証など、申告者の身元を確認できる書類が必要です。
4-2 申請の流れ
- 医療費の集計:1年間の医療費(ICL手術費用、検査費用、薬代など)を集計し、領収書を整理します。家族の医療費も合算可能です。
- 明細書の作成:医療費控除の明細書に、医療機関名、支払日、金額などを記載します。国税庁のウェブサイトでテンプレートが提供されています。
- 確定申告書の作成:確定申告書に必要事項(所得、控除額など)を記入し、明細書や源泉徴収票を添付します。
- 提出:住民票のある地域の税務署に書類を提出します。e-Tax(電子申告)を利用すると、オンラインで手続きが可能です。
- 還付金の受け取り:申告後、通常1~2ヶ月で還付金が指定口座に振り込まれます。
4-3 過去5年間の遡及申請
医療費控除は、過去5年間に遡って申請可能です。たとえば、2020年にICL(眼内コンタクトレンズ)手術を受けた場合、2025年現在でも領収書があれば還付申告ができます。この場合、「還付申告」として税務署に提出します。
ICL(眼内コンタクトレンズ)手術の費用を抑えるその他の方法
医療費控除以外にも、ICL(眼内コンタクトレンズ)手術の費用負担を軽減する方法があります。
5-1 医療ローンの活用
多くのクリニックでは、医療ローン(分割払い)を提供しています。金利や手数料は医療費控除の対象外ですが、初期費用の負担を抑えたい場合に有効です。ただし、ローンの金利や返済期間を事前に確認することが重要です。
5-2 クリニックの比較
ICL(眼内コンタクトレンズ)手術の費用はクリニックによって異なります。費用に含まれる内容(検査費用、術後ケアなど)や保障期間も異なるため、カウンセリング時に詳細を確認しましょう。
5-3 コンタクトレンズとのコスト比較
ICL(眼内コンタクトレンズ)手術は高額ですが、長期的な視点ではコンタクトレンズの継続費用と比較して経済的です。たとえば、1日使い捨てコンタクトレンズの年間費用が6万~7.2万円の場合、10年間で60万~72万円となります。ICL(眼内コンタクトレンズ)手術の費用(40万~80万円)は、約5~10年で元が取れる計算になります。
6. 注意点とよくある質問
6-1 注意点
- 領収書の保管:医療費控除の申請には領収書が必須です。紛失しないよう厳重に保管し、再発行が難しい場合はクリニックに支払い証明書の発行を依頼しましょう。
- 医療費控除の対象外:ICL(眼内コンタクトレンズ)手術に関連しない費用(たとえば、コンタクトレンズの日常的な購入費用や医療ローンの金利)は控除対象外です。
- 税務署への確認:ICL(眼内コンタクトレンズ)手術が医療費控除の対象となるかは、眼の状態や税務署の判断により異なる場合があります。特に近視度数が弱い場合は対象外となる可能性があるため、事前に税務署に相談することをおすすめします。
6-2 よくある質問
- 民間の医療保険は適用される?
- ICL(眼内コンタクトレンズ)手術が民間保険の給付対象となるかは保険契約によります。多くの場合、視力矯正手術は対象外ですが、加入している保険会社に確認してください。
- 高額療養費制度は使える?
- ICL(眼内コンタクトレンズ)手術は自由診療のため、高額療養費制度の対象外です。
- 家族の医療費も合算できる?
- 生計を共にする家族(配偶者、子供、親など)の医療費を合算できます。これにより、10万円の基準を超えやすくなります。
ICL(眼内コンタクトレンズ)手術のメリットは、視力回復だけでなく、コンタクトレンズや眼鏡の手間やコストからの解放、災害時や海外旅行時の安心感など多岐にわたります。医療費控除を活用することで、経済的負担も軽減可能です。
7. まとめ
ICL(眼内コンタクトレンズ)手術は公的医療保険の適用外の為高額ですが、医療費控除を活用することで税金の還付を受けられ、負担を軽減できます。年間の医療費が10万円を超える場合、確定申告を通じて控除額を計算し、所得税や住民税を節約することが可能です。申請には領収書の保管や確定申告書の作成が必要で、過去5年間の遡及申請も可能です。クリニック選びや医療ローンの活用も検討し、長期的なコストパフォーマンスを考えると、ICL(眼内コンタクトレンズ)手術は魅力的な選択肢です。
詳細な情報は、国税庁のウェブサイト(www.nta.go.jp)や最寄りの税務署で確認できます。費用や保障内容を十分に比較しましょう。
品川近視クリニックでは、ICL(眼内コンタクトレンズ)手術を両眼42.7万円(両眼・税込)から提供しています。
これは近視度数が-4D未満の場合の価格で、近視度数が-4D以上の場合は追加で11万円、乱視用レンズの場合は追加で10万円(いずれも両眼・税込)がかかります。
ICL(眼内コンタクトレンズ)手術は角膜を削らない視力矯正手術として、レーシック不適応の方や角膜が薄い方、
強度近視の方に特におすすめです。
品川近視クリニックのICLは厚生労働省承認の米国STAAR SURGICAL社製ホールICLを使用しており、3年間の保障が付いています。また、手術費用は月々3,900円からの分割払いも可能で、経済的な負担も軽減できます。
ICL(眼内コンタクトレンズ)をお考えの方は、品川近視クリニックにお気軽にお問い合わせください。
更新日:2025年11月13日
監修者:品川近視クリニック 名古屋院 院長 小木曽 光洋
(日本眼科学会専門医)
| 経歴 | |
|---|---|
| 2003年 | 慶應義塾大学医学部卒 慶應義塾大学病院 眼科 |
| 2005年 | 静岡赤十字病院 眼科 |
| 2007年 | 国際医療福祉大学三田病院 眼科 |
| 2009年 | 国家公務員共済組合連合会立川病院 眼科 |
| 2012年 | 品川近視クリニック |
| 2014年 | 品川近視クリニック名古屋院 院長 |