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【医師監修】ICL(眼内コンタクトレンズ)手術後に目をこすっても大丈夫?エビデンスに基づき詳しく解説します。

ICL(眼内コンタクトレンズ)手術は、近視や乱視などの屈折異常を矯正するために眼内にレンズを挿入する手術であり、視力回復を目的とした安全性の高い治療法として広く知られています。しかし、手術後の回復期における目の管理は非常に重要で、特に「目をこする」行為については慎重な対応が求められます。本記事では、ICL(眼内コンタクトレンズ)手術後に目をこすっても大丈夫かどうかについて、詳しく解説します。

1. ICL(眼内コンタクトレンズ)手術とは

ICL(眼内コンタクトレンズ)手術は、眼内に特殊なレンズ(眼内コンタクトレンズ)を挿入することで視力を矯正する手術です。角膜の神経にほとんど影響を与えないため、ドライアイのリスクが低いとされています。手術は通常、局所麻酔下で行われ、3mm程度の小さな切開を通じてレンズを挿入します。レンズは虹彩と水晶体の間に固定され、長期間安定した視力矯正が期待できます。
手術後の回復期間は個人差がありますが、一般的には数日から数週間で視力が安定し、1ヶ月程度で日常生活にほぼ支障なく復帰可能です。しかし、術後の眼はデリケートな状態にあり、外部からの刺激(特に物理的な圧力)に対して慎重な管理が必要です。

2. 目をこすることのリスクとICL手術後の影響

目をこすることは、日常生活で無意識に行われることが多い行為ですが、ICL(眼内コンタクトレンズ)手術後においては以下のようなリスクが指摘されています。

2.1 術後早期のリスク

ICL(眼内コンタクトレンズ)手術直後の眼は、切開創が完全に癒合していない状態です。手術による切開は小さい(約3mm)ものの、術後数日から1週間程度は特に傷口が脆弱で、感染症やレンズの位置ずれのリスクが存在します。目を強くこすることで、以下のような問題が引き起こされる可能性があります。

レンズの位置ずれ・回転・脱臼:ICL(眼内コンタクトレンズ)は眼内で虹彩と水晶体の間にある毛様溝に固定されていますので、コンタクトレンズの様に大きくずれることはありません。しかし、強い物理的圧力により回転や脱臼する可能性があります。
乱視矯正用のICL(眼内コンタクトレンズ)では、回転する事により視力矯正効果が低下することがあります。この場合、レンズを元の適正位置に戻す治療やレンズ交換が必要になることがあります。

眼圧の上昇:目をこする行為は眼球に圧力を加え、一過性の眼圧上昇を引き起こす可能性があります。ICL(眼内コンタクトレンズ)手術後、眼圧が上昇すると視神経に負担がかかり、緑内障のリスクがある方は視野欠損の悪化が懸念されます。

感染症のリスク:手術後の切開創は細菌の侵入経路となり得ます。「目をこする」という行為で手を介して細菌が創口部付近の結膜や角膜に付着したり、創口が瞬間的に開き周囲の汚い物質が眼内に流入することで、眼内炎などの重篤な感染症を引き起こす可能性があります。目をこすることは、こうした感染リスクを高める要因となります。

傷口の悪化:切開創が完全に閉じるまで(通常1ヶ月程度)、物理的な刺激は傷口が開いたり治癒遅延を引き起こす可能性があります。

2.2 術後中期(1週間~1ヶ月)のリスク

術後1週間を過ぎると、切開創は徐々に癒合し、眼の状態も安定してきます。しかし、この期間も目を強くこすることは推奨されません。理由としては、以下の点が挙げられます。

レンズの安定性:ICL(眼内コンタクトレンズ)は眼内で癒着せずに固定されているため、強い圧力によりレンズが微妙に動く可能性が残ります。特に乱視矯正ICL(眼内コンタクトレンズ)では、レンズの軸がずれると視力に影響が出ます。

2.3 術後長期(1ヶ月以降)のリスク

術後1ヶ月を過ぎると、眼の状態はほぼ安定し、日常生活における制限は大幅に減ります。しかし、目を強くこすることは依然として注意が必要です。特に以下のようなケースではリスクが残ります。

アトピー性皮膚炎:アトピー性皮膚炎の方は、アトピー性皮膚炎に罹っている事自体、またステロイド剤の使用により白内障のリスクが高いことが知られています。目をこすることは、こうしたリスクを増大させる可能性があります。

外傷によるレンズ脱臼:まれに、強い打撲や圧力によりICL(眼内コンタクトレンズ)が固定位置から外れることがあります。こうしたケースでは、速やかに位置を調整する必要があります。

3. 推奨事項

ICL(眼内コンタクトレンズ)手術後の目をこすることに関する直接的なエビデンスは限られていますが、関連する臨床データやガイドラインから以下のような推奨事項が導かれます。

3.1 術後1週間の注意

多くのクリニックでは、術後1週間は目をこすらないよう明確に指導しています。これは、切開創の癒合や感染症予防の観点から重要です。

3.2 術後1ヶ月までの注意

術後1ヶ月までは、目に圧力をかける行為(目を強くこする、激しい運動など)を避けるよう推奨されています。軽い運動は1週間後から可能ですが、目に圧力がかかる動作は避けるべきとされています。術後の目の状態がデリケートであるため、慎重な生活習慣が求められます。

3.3 術後1ヶ月以降の注意

1ヶ月を過ぎると、眼の状態はほぼ安定しますが、定期的な検診を受け、異常があれば速やかに医師に相談することが推奨されます。日本白内障屈折矯正手術学会(JSCRS)の情報によると、ICL(眼内コンタクトレンズ)手術後の長期的な合併症(例:白内障、緑内障)はまれですが、目をこするなどの刺激は最小限に抑えるべきです。

3.4 保護メガネの使用

術後、特に最初の1ヶ月は、目を保護するために保護メガネの使用が推奨される場合があります。これは、目をこするなどの無意識の行為から眼を守るための措置です。

目をこすらないための実践的なアドバイス

目をこすらないためには、以下のような対策が有効です。
保護メガネの着用:術後1週間は、就寝時や埃の多い環境で保護メガネを着用することで、目をこするリスクを軽減できます。

点眼薬の使用:術後、乾燥感や違和感がある場合、目をこすらずに保湿用の点眼薬を使用することが推奨されます。

手洗いの徹底:感染症予防のために、手を清潔に保ち、目を触る前に必ず手を洗う習慣をつけましょう。

医師の指示に従う:術後の検診で目の状態を確認し、医師の許可があるまで目をこする行為を避けることが重要です。

5. 科学的根拠と限界

ICL(眼内コンタクトレンズ)手術後の目をこすることに関する直接的な臨床研究は限られていますが、関連する合併症(レンズの脱臼、眼圧上昇、感染症など)のリスクは複数の文献で報告されています。例えば、JSCRSの情報では、レンズ脱臼のリスクはまれですが、強い打撲や圧力が原因となり得るとされています。また、感染症の発生率は約1/6000と低いですが、術後ケアが不十分な場合にリスクが高まると報告されています。

一方で、目をこすることによる具体的な影響(例:どの程度の力でレンズがずれるか)についての定量的なデータは不足しています。これは、ICL(眼内コンタクトレンズ)手術の安全性が高く、こうした合併症がまれであるため、大規模な研究が行われていないことが原因と考えられます。したがって、現時点では臨床経験や専門家の推奨に基づく予防的なアドバイスが主となります。

6. 結論

ICL(眼内コンタクトレンズ)手術後に目をこすることは、術後早期(特に1週間以内)においては切開創の悪化、レンズの位置ずれ、感染症、眼圧上昇などのリスクを伴うため、避けるべきです。術後1ヶ月までは目の状態がデリケートであり、軽い接触であっても慎重な管理が必要です。1ヶ月以降は眼の状態が安定しますが、強度近視の患者や特定のリスク因子を持つ場合は、目をこする行為を最小限に抑えることが推奨されます。

さらに近年では通常の白内障手術で角膜切開や水晶体前嚢切開を行う際に用いられる高精度なレーザー技術が登場しています。この技術をICL(眼内コンタクトレンズ)手術に応用することで、従来のメスを用いた切開に比べ、より正確で小さな切開が可能となり、術後の回復や安全性が向上しています。

品川近視クリニックは、ICL(眼内コンタクトレンズ)治療を開始してから14年、全国5院(東京/梅田/名古屋/福岡/札幌)に展開している、視力回復治療専門のクリニックです。

患者様お一人お一人に最も適した治療を、適正価格で患者様にご提供できるよう日々努力をしています。ICL(眼内コンタクトレンズ)に限らずレーシックや老眼治療、白内障治療などの視力回復治療をお考えの方は、品川近視クリニックにお気軽にお問い合わせください。

更新日:2025年11月13日

監修者:梅田院 院長 沖 輝彦
(日本眼科学会専門医)

梅田院 院長 沖 輝彦
経歴
1992年 佐賀医科大学 医学部 卒業
1993年 佐賀医科大学付属病院
1994年 浜松労災病院
1995年 福岡徳洲会病院
1997年 佐賀医科大学付属病院
1998年 北九州市立八幡病院
1999年 福岡徳洲会病院
佐世保中央病院
佐賀医科大学付属病院
2001年 総合上飯田第一病院
2003年 佐世保中央病院
2005年 日本赤十字社 和歌山医療センター
2006年 品川近視クリニック東京院
2013年 品川近視クリニック福岡院
2025年 品川近視クリニック梅田院 院長

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