
ICL(眼内コンタクトレンズ)は、近視、遠視、乱視を矯正するための視力回復手術として注目を集めています。この手術は自由診療に該当し、公的医療保険の適用外となるため、費用は全額自己負担となります。
ICL(Implantable Contact Lens)は、日本語で「眼内コンタクトレンズ」と呼ばれる視力矯正手術の一種です。正式名称は「有水晶体眼内レンズ挿入術」で、眼内にある水晶体を残したまま、虹彩(茶目の部分)と水晶体の間にレンズを挿入し、近視、遠視、乱視といった屈折異常を矯正します。
このレンズは、生体適合性の高い「Collamerコラマー」という素材で作られており、長期的に眼内に留まることができるのが特徴です。コラマーは「コラーゲン+ポリマー」の合成素材で、柔軟性があり、眼球の中で安定的に機能します。これにより、メガネやコンタクトレンズに頼らず、裸眼で良好な視力を得ることが可能です。
レーシック(LASIK: Laser-Assisted in Situ Keratomileusis)と異なり角膜の形状を変えることなく視力を矯正できる点が大きな特徴で、水晶体はそのまま残り、レンズとしての役割を果たすため、調節機能を失うことはありません。
日本では1997年に導入され、臨床試験を経て2010年2月に高度医療機器として厚生労働省に承認されました。
ここからICL(眼内コンタクトレンズ)の費用、医療費控除の活用、民間の生命保険や医療保険の適用について解説します。なお、情報は2025年8月時点の状況を基にしていますが、クリニックや保険会社によって条件が異なるため、個別の確認が重要です。
1. ICL手術の費用

1.1 費用相場の概要
ICL(眼内コンタクトレンズ)手術の費用は一般的に、両眼で40万円~80万円が相場とされていますが、クリニックや使用するレンズの種類、乱視の有無によって異なります。
1.2 費用に含まれる項目
ICL(眼内コンタクトレンズ)手術の費用には、以下の項目が含まれることが一般的です。
術前検査費用:
無料~3万円程度でクリニックにより異なります。視力検査、角膜の厚さや形状、眼内の状態を確認する精密検査が含まれます。これにより、ICL(眼内コンタクトレンズ)手術の適応や適切なレンズの選定が行われます。
手術費用:
レンズ代、医師の技術料、手術室使用料、消耗品(滅菌器具や薬品)が含まれます。レンズはコラマーという生体適合性の高い素材でできたレンズを使用します。また、レンズをオーダーメイドする場合もあり、その場合コストが高くなります。
術後ケア費用:
術後の定期検診費用(1回あたり5,000円~10,000円程度)。クリニックによっては、術後6ヶ月~1年間の検診費用が手術費用に含まれる場合があります。
薬剤費用:
術前・術後に使用する点眼薬や抗炎症薬が含まれます。これらは感染症予防や炎症抑制に必要です。
一部のクリニックでは、保障期間(例:レンズ交換や軸補正の無料対応)を長く設定することで費用が上乗せされる場合があります。ただし、過剰な保障期間を設けず、必要な保障のみを提供することで費用を抑える方針のクリニックも存在します。
1.3 費用を抑える方法
ICL(眼内コンタクトレンズ)手術の費用負担を軽減する方法として、以下の選択肢があります。
メディカルローンの利用:多くのクリニックが分割払いに対応しており、費用の負担を軽減できます。
クリニックの比較:
クリニックによって費用や保障内容が異なるため、複数のクリニックで費用内訳やアフターケアの詳細を確認することが重要です。
医療費控除の活用:
後述する医療費控除を活用することで、所得税や住民税の還付を受けられ、実質的な負担を軽減できます。
2. 医療費控除について
2.1 医療費控除とは
ICL(眼内コンタクトレンズ)手術は公的医療保険の適用外ですが、確定申告時に申請できる医療費控除の対象となります。医療費控除とは、1年間(1月~12月)に支払った医療費が10万円を超えた場合、超過分の金額に対して所得税や住民税の還付を受けられる制度です。
詳しくは、コチラの記事をご確認ください。
2.2 高額療養費制度との違い
ICL(眼内コンタクトレンズ)手術は高額療養費制度の対象外です。この制度は、公的医療保険が適用される医療費について、自己負担額が一定限度を超えた場合に還付されるものですが、ICL(眼内コンタクトレンズ)手術は自由診療のため適用されません。
3. 民間の生命保険・医療保険の適用について
3.1 手術給付金の可能性
ICL手術が民間の生命保険や医療保険の手術給付金の対象となるかどうかは、加入している保険の契約内容や加入時期に依存します。一般的には、以下の点がポイントとなります:手術給付金の条件:保険会社が定める「手術」に該当する場合、給付金(例:3万円~10万円)が支給される可能性があります。ICL(眼内コンタクトレンズ)手術の正式名称は「有水晶体眼内レンズ挿入術」であり、これが給付対象手術に含まれるかを保険会社に確認する必要があります。
対象となるケース:
「自由診療補償特約」が付帯されている保険。
医師の診断で「治療目的」と判断される場合(例:強度近視による生活障害)。
対象外となるケース:
保険会社によっては、視力矯正手術(ICLやレーシック)は「美容目的」や「生活の質向上目的」と見なされ、給付対象外とする場合が多いです。
3.2 保険会社への確認方法は、以下の手順が推奨されます。
保険契約内容の確認:
保険証券や契約書を確認し、手術給付金の対象手術リストや特約内容をチェック。
保険会社への問い合わせ:
手術名称「有水晶体眼内レンズ挿入術」を伝え、給付対象かを確認しましょう。保険会社によっては、診断書や診療明細書が必要な場合があります。
診断書の準備:
給付金申請には、クリニックが発行する診断書が必要な場合があります。保険会社指定のフォームがある場合は、それを使用します。
3.3 注意点、保険加入後の影響
ICL(眼内コンタクトレンズ)手術を受けた後、新規の生命保険や医療保険に加入する際、目の疾患に関する保障が制限される可能性があります。実際に、ICL(眼内コンタクトレンズ)手術後に保険加入時に特記事項が付いたという報告もあります。
保険会社による差異:
各保険会社によって手術給付金の基準が異なります。事前の確認が不可欠です。
白内障手術との混同:
一部のネット記事では、ICL(眼内コンタクトレンズ)手術が白内障手術と同等の術式として扱われ、給付金の対象となったケースが報告されていますが、これは保険会社や契約内容に依存するため、確実な情報とは言えません。
3.4 給付金の金額例
給付金の金額は保険契約によりますが、一般的には片眼あたり5万円~10万円、両眼で10万円~20万円が支給されるケースが多いです。ただし、ICL(眼内コンタクトレンズ)手術を明確に対象外とする保険会社が多い為、事前の確認が必要です。
4. ICL(眼内コンタクトレンズ)手術のコストパフォーマンスとメリット
長期的なメリット:
ICL(眼内コンタクトレンズ)手術は初期費用が高いものの、以下のメリットによりコストパフォーマンスが高いとされています。
メンテナンス不要:
コンタクトレンズのような継続的な購入やメンテナンスが不要で、半永久的に視力の維持が可能です。
可逆性:
レンズを摘出して元の状態に戻す事が可能です。
生活の質向上:
裸眼での生活が可能となり、スポーツや旅行などでの快適さが向上するとされています。
5. 結論と推奨事項
ICL(眼内コンタクトレンズ)手術の費用は両眼で40万円~80万円と高額ですが、医療費控除を活用することで実質負担を軽減することが可能です(例:年収400万円で9万円、800万円で18万円の還付になります。詳しい計算方法等については、コチラ(医療費控除のページへのリンク)の記事をご確認ください。
民間の生命保険や医療保険の給付金は、契約内容次第で3万円~20万円程度が支給される可能性がありますが、対象外とする保険会社も多いため、事前に保険会社に確認することが必須です。
推奨事項
クリニック選び:
複数のクリニックで、費用内訳や保障内容を比較しましょう。クリニックによっては無料適応検査がありますので、受けてみましょう。
医療費控除の準備:
領収書を厳重に保管し、確定申告の準備を早めに行うようにしましょう。また、税務署への相談で対象可否を確認しましょう。
保険確認:
手術前に保険会社に「有水晶体眼内レンズ挿入術」が給付対象かを問い合わせ、診断書フォームを準備しましょう。
長期視点での検討:
コンタクトレンズの継続コストと比較し、ICL(眼内コンタクトレンズ)のメリットを考慮して判断しましょう。
ICL(眼内コンタクトレンズ)手術は高額ですが、視力回復による生活の質向上や長期的なコストパフォーマンスを考慮すると、価値ある選択肢と言えます。個々の状況に応じた費用や保険の確認を怠らず、十分な情報収集を行って手術を検討してください。
品川近視クリニックは、ICL(眼内コンタクトレンズ)治療を開始してから14年、全国5院(東京/梅田/名古屋/福岡/札幌)に展開している、視力回復治療専門のクリニックです。
患者様お一人お一人に最も適した治療を、適正価格で患者様にご提供できるよう日々努力をしています。ICL(眼内コンタクトレンズ)に限らずレーシックや老眼治療、白内障治療(多焦点眼内レンズ挿入術)などの視力回復治療をお考えの方は、品川近視クリニックにお気軽にお問い合わせください。
更新日:2025年11月13日
監修者:品川近視クリニック 名古屋院 院長 小木曽 光洋
(日本眼科学会専門医)
| 経歴 | |
|---|---|
| 2003年 | 慶應義塾大学医学部卒 慶應義塾大学病院 眼科 |
| 2005年 | 静岡赤十字病院 眼科 |
| 2007年 | 国際医療福祉大学三田病院 眼科 |
| 2009年 | 国家公務員共済組合連合会立川病院 眼科 |
| 2012年 | 品川近視クリニック |
| 2014年 | 品川近視クリニック名古屋院 院長 |